2018年7月5日  ☆歯医者の麻酔

いざ歯医者に通うとなった際、皆様がまず不安を抱くのは「治療中に痛みはないのか?」という点ではないでしょうか。中にはその痛みを想像するだけで歯医者通いを億劫に感じてしまう方も少なくないでしょう。

歯科医側にとっても治療中の痛みは最も苦慮するところであり、患者様にできるだけストレスなく治療を受けていただくために痛みを少なくする工夫をおこなっています。特に歯科治療で最初に痛みをおぼえやすい麻酔注射は、どれだけ痛みを少なくできるかが歯科医の腕の見せ所といっても過言ではないでしょう。

■麻酔注射の針を刺すときの痛みを減らす

麻酔を痛みなくおこなうために、まず重要になってくるのが注射針を刺す痛みをいかに軽減するかという点です。この段階で強い痛みを与えてしまうと、患者様はその後に続く治療そのものが苦痛となってしまいます。

注射針を刺す痛みは針の太さと関係しており、注射針が太いほど痛みが強くなります。そのため麻酔注射をおこなう際は、できるだけ細い注射針を使用することが理想的です。以前は太さ30ゲージ(直径0.3mm)の注射針が主流でしたが、近年は33ゲージ(直径0.26mm)という極細の注射針も登場し、多くの歯科医がこの33ゲージの注射針を選択しています。

また注射針を刺す粘膜にあらかじめ表面麻酔をかけておくことも大切です。表面麻酔はクリーム状ものやスプレータイプのものがあり、麻酔をおこなう部位に塗布することで針を刺す痛みが軽減することができます。

■麻酔薬を注入するときの痛みを減らす

麻酔注射の針を痛みなく挿入できてもまだ油断はできません。なぜなら麻酔注射は麻酔薬を粘膜内に注入する際にも痛みを生じやすいからです。

麻酔薬を注入する際の痛みには、麻酔薬の温度と注入するスピードが関わっています。まず麻酔薬が冷たいままだと痛みがでやすいため、あらかじめ体温と同じ程度に温めておくことが痛みを軽減するポイントです。無痛治療に配慮した歯科医院では、その多くで麻酔薬を温める機器が導入されています。

また麻酔薬を一気に注入してしまうと痛みが強くなるため、痛みに配慮するためには注入もゆっくりとしたスピードでおこなわなければなりません。ただ注射針が細くなると注入する力のコントロールも難しく、歯科医にある程度のテクニックが求められます。

そこで近年では麻酔時の痛みをより軽減するために電動麻酔器を導入している歯科医院も増えています。電動麻酔器はコンピュータ制御によって注入スピードを一定に保つことができるため、注入時の痛みを抑えることができます。

以上のように、麻酔注射は様々な配慮によって痛みを軽減することが可能です。麻酔をするときの痛みが気になるようであれば、遠慮なくその旨を歯科医師に伝えてみましょう。

<< 一覧へ戻る

土曜日・日曜日も午前中は診療いたします。 休診日・・・火曜・祝日